「扶養内で働きたいけれど、今年あといくら稼いでいいのか分からない」
在宅ワークは、パートと違って毎月の報酬がばらつきます。気づいたら年末に基準を超えていた、ということが起こりやすい働き方です。
この記事では、扶養の基準そのものではなく、在宅ワークで扶養内に収めるための「収入の管理のしかた」をまとめます。基準の詳しい仕組みは、下の記事で整理しています。
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在宅ワークと扶養控除|個人事業主でも扶養に入れる?税と社会保険の2つの基準【2026年版】
扶養には税と社会保険の2種類があり、基準が違います。2025年分から見直された配偶者控除の基準、個人事業主は売上ではなく所得で判定されること、社会保険の扶養は健康保険ごとに扱いが違うことなど、在宅ワークで知っておきたい仕組みと注意点をまとめました。
先に結論
扶養内で働くための管理のポイント
- 見るべき数字は「税の扶養=所得」と「社会保険の扶養=年間収入の見込み」の2つ
- 報酬は振込額ではなく、源泉徴収される前の額面で記録する
- 経費は仕事に使った分だけを、証拠と一緒に残す
- 毎月、「今年の見込み」を計算し直す。社会保険は年の途中でも見込みで判断される
「壁」の数字は、まず2つだけ押さえる
「103万円」「130万円」「150万円」と、いろいろな数字が出てきて混乱しがちです。在宅ワーク(業務委託)で働く妻が気にする数字は、まず次の2つです。
| 税の扶養(夫の配偶者控除) | 社会保険の扶養(夫の健康保険) | |
|---|---|---|
| 見る数字 | 妻の合計所得 | 妻のこれから1年間の収入の見込み |
| 目安 | 62万円以下(2026年分から。2025年分は58万円) | 130万円未満 |
| 超えるとどうなるか | 配偶者特別控除に切り替わり、所得133万円まで段階的に減る | 自分で国民健康保険と国民年金に加入し、保険料を払う |
「103万円の壁」は、パートなど給与で働く人の所得税の話で、しかも2025年分・2026年分と続けて見直されています。「150万円」は、配偶者特別控除が満額受けられるパートの給与収入の目安として語られていた数字です。在宅ワークの報酬には、そのまま当てはまりません。
いちばん注意したいのは社会保険の130万円です。こちらは超えると保険料の負担が一気に発生するうえ、個人事業の収入をどう計算するかが、夫の健康保険ごとに違います。経費を引いてくれるのか、どこまで引けるのかは、先に夫の勤務先に確認しておきましょう。
報酬は「額面」で記録する
在宅ワークの管理でいちばん多い間違いが、通帳に振り込まれた金額で考えてしまうことです。
- ライターやデザインの報酬は、源泉徴収(10.21%)が引かれて振り込まれることがある
- クラウドソーシングでは、システム利用料が引かれて振り込まれる
- 振込が翌月・翌々月になる案件もある
扶養の判定で使うのは、源泉徴収される前の報酬額です。システム利用料は経費として扱えますが、社会保険の判定で経費をどこまで認めるかは健康保険しだいです。
記録は、次の形にしておくと後で困りません。
| 仕事をした月 | 取引先 | 報酬(額面) | 源泉徴収 | 手数料 | 入金日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4月 | A社 | 30,000円 | 3,063円 | 0円 | 5月末 |
| 4月 | クラウドソーシング | 11,000円 | 0円 | 2,200円 | 5月15日 |
「入金日」ではなく「仕事をした月(請求した月)」で集計すると、年の途中で見込みを出しやすくなります。
経費は「仕事に使った分だけ」を残す
税の扶養は所得(売上−経費など)で判定するので、経費をきちんと記録することは大切です。ただし、経費を増やして基準を下回ろうとするのは危険です。
| 経費にできるもの | 注意点 |
|---|---|
| パソコン、ソフトの利用料 | 家族と共用なら、仕事に使う割合だけ |
| インターネット代、スマホ代 | 仕事に使う割合を決めて按分する |
| 仕事部屋の電気代 | 在宅で仕事をする時間や面積で按分する |
| 書籍、講座の費用 | 今の仕事に直接関係するものだけ |
| クラウドソーシングの手数料、振込手数料 | 明細を保存しておく |
按分の割合は、なぜその割合にしたのかを説明できるようにしておきます。領収書やネットの購入明細は、スマホで撮影したり、PDFでフォルダに保存したりするだけで十分です。
毎月「今年の見込み」を計算し直す
社会保険の扶養は、過去の実績ではなく、これから1年間の収入の見込みで判断されます。月の報酬が大きく増えた時点で、年の途中でも基準を超えたと扱われることがあります。
そこで、月に1回、次の計算をしておきます。
step
1今年の1月から先月までの報酬(額面)を合計する
step
2今月以降、継続が決まっている仕事の報酬を足す
step
3税の扶養用に、経費を引いた「所得」の見込みも出す
表計算ソフトなら、月ごとの行を作って合計するだけです。基準に近づいてきたら、受ける仕事を調整するのか、扶養を外れて稼ぐのかを早めに決められます。
月の報酬で見る目安
- 社会保険の130万円未満は、月あたり約10万8,000円未満
- ただし、個人事業の収入から経費を引くかどうかは健康保険ごとに違う
- 単発の大きな案件が入った月は、年間の見込みが大きく変わるので要注意
基準を超えそうになったら
超えそうなときに考えることは、次の3つです。
- 夫の勤務先の健康保険に、個人事業の収入の扱いを確認する(経費を引けるか、何の書類を出すか)
- 扶養を外れた場合の保険料を試算する(国民健康保険料は市区町村のサイトで試算できる)
- 保険料を払っても手元に残るくらい、収入を増やせる見通しがあるかを考える
扶養を外れた直後は、収入が少し増えただけでは保険料の負担で家計がかえって苦しくなります。一方で、継続して収入を伸ばせる見通しがあるなら、基準に合わせて仕事を断り続けるより、外れて稼ぐほうが合うこともあります。
基準を超えたのに扶養のままでいると、さかのぼって扶養から外され、保険料や医療費の返還を求められることがあるので、迷ったら早めに相談してください。
よくある質問
Q. 通帳に振り込まれた金額で管理してはいけませんか
おすすめしません。源泉徴収や手数料が引かれた金額は、判定に使う報酬額より少なくなります。額面と、引かれた金額を分けて記録してください。
Q. 確定申告をしていないと、扶養の判定に影響しますか
健康保険によっては、確定申告書の控えで収入を確認するところがあります。所得税の申告が不要な場合でも、申告しておくと説明がしやすくなります。
Q. ポイントサイトやフリマの売上も含めますか
生活用品を売った場合は、通常は所得になりません。仕入れて売る、作品を継続して売るといった場合は事業や雑所得の収入になり得るので、記録に含めておくのが安全です。
まとめ
- 見る数字は税の扶養(所得62万円以下・2026年分から)と社会保険の扶養(年間収入130万円未満の見込み)の2つ
- 報酬は源泉徴収や手数料が引かれる前の額面で、仕事をした月ごとに記録する
- 経費は仕事に使った分だけを、按分の理由と証拠と一緒に残す
- 社会保険は年の途中でも見込みで判断されるので、毎月見込みを計算し直す
- 超えそうなら、夫の健康保険への確認と、保険料の試算を先にする
今日やることを1つ選ぶなら、今年の1月からの報酬を、額面で一覧にしてみてください。それだけで、あとどれくらい働けるかが見えてきます。
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