ゲーム会社レベルファイブの日野晃博社長が、新作発表会の映像にAIを使っていたことを認め、Xで謝罪しました。
わが家は、あの発表会を家族でリアルタイムで見ていました。見ていたときは、正直なところ違和感はありませんでした。
在宅でディレクションの仕事をしている私は、毎日のようにAIを使っています。今回のニュースは「企業がAIを使うと叩かれる」という話で終わらせず、在宅で働く私たちがAIとどう付き合うかを考えるきっかけだと感じました。
先に結論
この記事のポイント
- 批判されたのは「AIを使ったこと」そのものより、受け手が知らないうちに使われていたことへの不安が大きい
- AIを仕事に使う流れは止まらない。在宅ワークの現場ではすでに日常になっている
- 大事なのは「人が決める部分」と「AIに任せる部分」を分けて、説明できるようにしておくこと
- これからの在宅ワークで求められるのは、AIを怖がりすぎず、使いすぎず、柔軟に付き合える人
何があったのか
レベルファイブは『妖怪ウォッチ』『レイトン教授』『イナズマイレブン』などで知られるゲーム会社です。9月10日に配信されたオンライン発表会「LEVEL5 VISION 2026 II」の映像にAIが使われていたとして、ファンから不安の声が上がりました。
これを受けて、日野社長が自身のXで経緯を説明し、謝罪しています。
| 説明の要点 | 内容 |
|---|---|
| AIを使った理由 | 発表会を派手にしたいという思いから、実験も兼ねて取り入れた |
| 謝罪 | 不快に思った人がいたことについてお詫び |
| ゲーム本体 | シナリオ、キャラクターデザイン、基礎設定など、作品の魅力に関わる部分は人の手でつくっている |
| AIを使う場所 | 人がつくったものをデジタル化する工程(原画をポリゴンに起こす作業など)の効率化 |
| 目標 | 大型タイトルの開発期間を5年から2年に縮める |
日野社長の投稿はこちら(X)、経緯はニュース記事にもまとまっています。
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レベルファイブ日野晃博氏、イベント映像のAI使用について経緯とお詫びを投稿。将来的には「開発期間5年を2年に縮める」という目標も | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
レベルファイブ・日野晃博氏は、先日放送された“LEVEL5 VISION 2026 II 夢”での映像内AI使用について ...
www.famitsu.com
家族で楽しみにしていた発表会だった
妖怪ウォッチは、息子が小さかった頃に夢中になった作品です。メダルもウォッチも買い、ゲームを家族で遊び、映画も観に行きました。わが家にとっては、家族みんなで好きだった作品です。
その新作の発表が、ニンテンドーダイレクトで流れました。息子と娘と一緒にリアルタイムで見ていて、すっかり大きくなった息子が、子どもの頃に戻ったように飛び跳ねて喜んでいたのをよく覚えています。
翌日のレベルファイブの配信も、配信時間まで待機して、3人で見ました。

ファンとして純粋に楽しんでいた立場からすると、AIを使ったかどうかより、新作が出ること自体がうれしかったというのが本音です。
なぜ「AIを使った」だけで批判されるのか
一方で、不安の声が上がった理由も分かります。整理すると、次の3つだと思います。
| 不安の中身 | 受け手の気持ち |
|---|---|
| 知らされていなかった | 人がつくったものだと思って見ていたのに、後から違うと分かった |
| 作品そのものへの心配 | 発表会の映像がAIなら、ゲームの中身もそうなのでは |
| つくり手の仕事への心配 | 好きな作品を支えてきた人の仕事が、AIに置き換えられるのでは |
日野社長の説明は、まさにこの2つめと3つめに答えるものでした。「作品の核は人がつくり、AIは手間のかかる工程に使う」という線引きです。
こうした騒ぎは、ゲーム業界に限りません。企業がAIを使ったことが分かると叩かれる、という流れは、ここ最近何度も見てきました。
在宅ワークの現場では、AIはもう日常
それでも、AIを仕事に使う流れは止まりませんし、止められないと感じています。
私は在宅でディレクションの仕事をしていますが、現場ではすでにAIを使うのが当たり前になっています。
- 画像の作成
- 文章の下書きや構成づくり
- 動画の作成
- 調べものやリサーチ
こうした作業にAIを使うのは日常茶飯事です。
さらに、AIがプログラムを書いてくれるClaude Codeのようなツールが出てきてからは、「この作業を自動化できないか」「もっと効率よく回せないか」という相談を受けることが増えました。私自身も、スプレッドシートの自動化に使うプログラムはAIに書いてもらっています。
AIで浮いた時間を、人にしかできない判断や、相手とのやりとりに回す。日野社長が話していた「効率化で生まれた時間を、創造の本質に使う」という考え方は、在宅ワークの現場の感覚にも近いものです。
今回の件から、在宅で働く私たちが学べること
企業の発表会と個人の在宅ワークでは規模が違いますが、つまずくポイントは同じです。
1. 「人が決める部分」と「AIに任せる部分」を分ける
レベルファイブの説明の核は、この線引きでした。在宅ワークでも同じです。
| AIに任せやすいこと | 人が決めること |
|---|---|
| 下書き、たたき台、要約 | 何を伝えるか、誰に向けて書くか |
| 画像や動画の素材づくり | 使ってよいか、依頼の意図に合っているか |
| リサーチの入り口 | 情報が正しいかの確認 |
| 繰り返しの作業の自動化 | どの作業を自動化するか、止まったときの対応 |
2. 使ったなら、聞かれたときに説明できるようにしておく
今回、不安が大きくなったのは、受け手が知らないうちにAIが使われていたからでした。
在宅ワークでも、案件によってはAIの使用を禁止していたり、使った場合は申告を求めていたりすることがあります。応募する前に募集要項を確認し、分からなければ「AIを使ってもよいですか」と先に聞いておくと、後から揉めずに済みます。
3. 最後は自分の目で確認する
AIの出力は、もっともらしい間違いを含むことがあります。納品するものの責任は、AIではなく自分にあります。数字、固有名詞、画像の細部は、必ず人の目で確かめてから出します。
AIを使った仕事で気をつけたいこと
- 募集要項や契約で、AIの使用が認められているかを確認する
- AIで作った文章や画像を、確認しないまま納品しない
- クライアントの資料や個人情報を、無断でAIに入力しない
- AIを使った部分を聞かれたら説明できるようにしておく
これからの在宅ワークで求められる人
AIをまったく使わないのも、何でもAIに任せてしまうのも、どちらもこれからの在宅ワークでは難しくなっていくと思います。
向いているのは、次のような人です。
- 新しいツールが出たら、まず小さく試してみられる人
- AIに任せる部分と、自分でやる部分を自分で線引きできる人
- AIを使ったことを隠さず、相手に合わせて説明できる人
- AIの出力をうのみにせず、最後に確認する習慣がある人
特別なスキルより、柔軟に付き合える姿勢のほうが大事です。これは年齢に関係ありません。むしろ、長く働いてきて「確認する」「相手に説明する」ことが身についている40代・50代は、AIと組むと強いと感じています。
まとめ
- レベルファイブの日野社長が、発表会の映像にAIを使ったことを認めて謝罪した
- 不安の中心は、知らないうちに使われていたことと、作品やつくり手への心配
- 在宅ワークの現場では、画像・文章・動画・リサーチにAIを使うのはもう日常
- 大事なのは「人が決める部分」と「AIに任せる部分」を分け、使ったら説明できること
- これからの在宅ワークで求められるのは、AIと柔軟に付き合える人
ファンとしては、妖怪ウォッチの新作を家族でまた遊べる日を楽しみにしています。そして在宅で働く一人としては、AIをどう仕事に活かしていくか、これからも試しながら考えていくつもりです。
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