「Excelは少し使えるけれど、それで本当に稼げるの?」
結論から言うと、稼げます。ただし、よく言われる「マクロ(VBA)を覚えれば高単価」という話は、そのまま信じないほうがいいと私は考えています。
私はWordとExcelのMOS Expert(上級)を持っていて、地方のメーカーで20年以上、事務の仕事でExcelを使ってきました。今は在宅でディレクターの仕事をしています。
この記事では、実務で本当に使っていたものと、マクロより今のほうが役に立っていることを正直に書きます。
先に結論
Excelで稼ぐときに押さえること
- 仕事になるのは、まず関数・ピボットテーブル・条件付き書式の3つ
- マクロ(VBA)は、納品先のパソコンで止められることがある
- 今はAIにコードを書いてもらい、Googleスプレッドシートを自動化するほうが現実的
Excelで受注できる在宅の仕事
クラウドソーシングなどでよく見かける仕事と、報酬の目安です。
| 仕事の種類 | 報酬の目安 | 必要なスキル |
|---|---|---|
| データ入力・集計 | 時給900〜1,200円程度 | 基本操作 |
| 売上・在庫の集計表の作成 | 1件3,000〜10,000円程度 | 関数・ピボットテーブル |
| 請求書・見積書の作成代行 | 1件2,000〜5,000円程度 | 基本操作+テンプレート |
| スプレッドシートの管理・整備 | 月5,000〜20,000円程度 | 関数、できればGAS |
| 経理補助・帳簿の入力 | 時給1,200〜1,800円程度 | 簿記の知識があると有利 |
報酬は案件によって大きく差があります。最初は下の段から、実績を積みながら上の段へという順番が無理のない進め方です。
事務の現場で、本当に使っていたもの
20年以上Excelを使ってきて、仕事の中心にあったのは次の3つでした。
① 関数——いちばん役に立った
一番助けられたのは関数です。毎日の集計や照合の作業を、手作業から解放してくれました。
特に出番が多いのは次の関数です。
| 関数 | 何ができるか | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| XLOOKUP / VLOOKUP | 別の表から該当するデータを探して取り出す | 品番から単価や取引先を引いてくる |
| SUMIFS / COUNTIFS | 条件に合うものだけ合計・件数を数える | 取引先別・月別の集計 |
| IF / IFS | 条件によって表示を変える | 期限切れや未入力の判定 |
| IFERROR | エラーのときに別の表示にする | 検索で見つからないときの空欄化 |
| TEXT / DATE系 | 日付や数字の表示形式を整える | 納期や締め日の計算 |
在宅の仕事でも、この5つが使えるだけで受けられる案件の幅がかなり広がります。
② ピボットテーブル——大量のデータを一瞬でまとめる
何百行、何千行もあるデータを、ドラッグ操作だけで取引先別・月別などに集計できます。関数で組むと大変な集計が、数分で終わります。
「このデータをまとめてほしい」という依頼は、在宅の仕事でもよくあります。ピボットテーブルを知っているかどうかで、作業時間がまったく変わります。
③ 条件付き書式——見落としを防ぐ
期限が近いもの、数値がおかしいもの、未入力のセルに自動で色を付ける機能です。
地味ですが、ミスを防ぐ仕組みを表の中に作れるのが強みです。人に渡す表ほど、ここで差がつきます。
マクロ(VBA)は「覚えれば高単価」とは限らない
Excel副業の記事では、よく「VBAを覚えれば1件数万円」と書かれています。私はマクロを組むことはできますが、会社の業務では使っていませんでした。
理由:マクロ付きのファイルが「危険」と判定される
マクロは、ファイルの中でプログラムを動かす仕組みです。そのため、悪意のあるマクロによる被害を防ぐ目的で、会社のセキュリティ設定で止められることがあります。
実際、Microsoftもインターネットから入手したファイルのマクロを、初期設定でブロックするようにしています。
在宅の仕事でマクロ入りのファイルを納品しても、相手の会社のパソコンでは動かない可能性があります。マクロを使う案件を受けるときは、先方の環境でマクロを使ってよいかを必ず確認してください。
マクロのスキル自体は無駄になりません。ただ、「覚えれば高単価の仕事が取れる」と期待しすぎないほうがいい、というのが実務を見てきた実感です。
今は、AIにGASを書いてもらうことが増えた
AIが出てきてから、私の仕事のやり方は大きく変わりました。
Googleスプレッドシートの自動化を、AIにコードを書いてもらって作ることが増えています。このコードをGAS(Google Apps Script)と言います。
GASのほうが使いやすい理由
- ファイルを配らなくていい——スプレッドシートを共有するだけで、みんなが同じ仕組みを使える
- パソコンにインストールするものがない
- GmailやGoogleカレンダーなど、他のGoogleのサービスと連携できる
AIにGASを書いてもらう流れ
step
1やりたいことを日本語で伝える——「A列に日付、B列に名前がある表で、今日が期限の行だけメールで知らせたい」のように、表の形と目的を具体的に書く
step
2出てきたコードをスプレッドシートに貼る——拡張機能のメニューからApps Scriptを開いて貼り付ける
step
3コピーした表で試す——いきなり本番の表で動かさない
step
4エラーが出たら、そのままAIに見せる——エラーの文章を貼って直してもらう
コードを一から書けなくても、「何を自動化したいか」を正確に言葉にできれば形になります。ここで効いてくるのが、関数や表の組み方を知っていることです。仕組みが分かっている人ほど、AIへの頼み方がうまくなります。
今の在宅ディレクターの仕事でも、メンバーの稼働や業務の割り振りを表で見える化しています。表をきちんと作れることは、事務職に限らず在宅の仕事全般で役に立っています。
注意すること
- 必ずコピーした表で試す(データを消したり上書きしたりするコードもある)
- 実行時に求められるアクセス許可の内容を確認する
- 顧客の個人情報や社外秘のデータを、そのままAIに貼り付けない
MOSの資格は取るべきか
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、WordやExcelのスキルを証明する資格です。一般レベルと上級(エキスパート)があります。
正直に言うと、資格を持っているだけで仕事が来るわけではありません。ただ、次の点で役に立ちます。
- プロフィールに書ける——未経験の分野に応募するとき、スキルを一言で伝えられる
- 自分の抜けている機能に気づける——試験勉強で、普段使わない機能まで一通り触ることになる
実務経験がない方ほど、スキルの証明として取っておく価値があります。受験料や試験の種類は変更されることがあるので、公式サイトで最新の情報を確認してください。
仕事の取り方
- クラウドソーシング——「データ集計」「Excel」「スプレッドシート」で案件を探す
- オンライン秘書・事務代行の仕事——表の作成や管理が業務に含まれていることが多い
- 知り合いの小さな会社やお店——「表の整理を手伝います」の一言で仕事になることもある
よくある質問
Q. MacのNumbersでもいいですか
基本的な表計算はできますが、NumbersではExcelのマクロ(VBA)は動きません。仕事で使うなら、Excelか、無料で使えるGoogleスプレッドシートを用意するのが安心です。
Q. Googleスプレッドシートだけでも仕事になりますか
なります。小さな会社やチームではスプレッドシートを使っているところが多く、GASでの自動化まで含めて頼まれることもあります。
Q. 関数はいくつ覚えればいいですか
最初はこの記事の表にある5つで十分です。それ以外は、必要になったときに調べれば間に合います。
📚 資格を取得したいなら女性向け通信講座【SARAスクール】で自宅学習を始めましょう。
🎓 資格取得を目指すなら日本最大級のオンライン資格講座【formie】。400以上の講座から選べます。
まとめ
- Excelで仕事になるのは、まず関数・ピボットテーブル・条件付き書式
- 20年の実務でいちばん役に立ったのは関数
- マクロは納品先で止められることがあるので、使う前に確認する
- 今はAIにGASを書いてもらい、スプレッドシートを自動化するほうが現実的
- MOSはそれだけで仕事は来ないが、スキルの証明になる
今日やることを1つ選ぶなら、手元にある表で、XLOOKUPかSUMIFSを1回使ってみてください。「手で探していた作業が一瞬で終わる」経験が、仕事にする第一歩になります。
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