在宅で働くようになって、会社員時代との一番の違いを感じたのがセキュリティでした。
会社にいた頃は、パソコンの管理も、ウイルス対策も、会社がやってくれていました。何かあれば情報システムの担当者に連絡すれば済みました。
在宅ワークでは、それを全部自分でやることになります。
私自身、実際に危ない目に2回遭いました。この記事では、その経験をもとに、最低限やっておくべきことをまとめます。
実際に遭った2つのこと
① 偽のウイルス警告(サポート詐欺)
作業中、突然画面いっぱいに「トロイの木馬ウイルスが検出されました」という警告が表示されました。警告音まで鳴り、電話番号が案内されていました。
結論から言うと、これは詐欺でした。
▶ 「トロイの木馬ウイルスが検出されました」は詐欺でした【在宅ワーカーの実体験】
② パスワード漏洩からのアカウント乗っ取り
もう1つは、パスワード漏洩の通知を軽視した結果、アカウントを乗っ取られた件です。
「漏洩しました」という通知は届いていました。しかし、すぐには対応しませんでした。
▶ パスワード漏洩を無視したら、アカウントが乗っ取られた話【在宅ワーカーの実体験】
在宅ワーカーが狙われやすい理由
「個人だから狙われない」は誤解です。むしろ、在宅ワーカーは狙いやすい相手です。
- クライアントの情報を持っている(原稿、資料、時には顧客データ)
- 会社のような防御体制がない
- セキュリティに詳しくない人が多い
- 報酬の受け取りに銀行口座やネットサービスを使っている
特に1つ目が重要です。自分の情報だけでなく、取引先の情報も預かっている立場だということです。
最低限やるべき5つのこと
① セキュリティソフトを入れる
Windowsには標準の防御機能がありますが、在宅ワークで他人の情報を扱うなら、有料のセキュリティソフトを入れておくほうが安全です。
私も契約しています。年間数千円の出費ですが、取引先の情報を守るための必要経費だと考えています。事業に使うものなので、経費としても計上できます。
② パスワードを使い回さない
これが最も重要で、最も守られていない対策です。
1つのサービスから漏れたパスワードを使って、他のサービスにも次々ログインされる——これが乗っ取りの典型的な流れです。使い回しをやめるだけで、被害は1サービスに限定できます。
覚えられないという問題は、パスワード管理ツールで解決できます。ブラウザの標準機能でも構いません。
③ 2段階認証を設定する
パスワードが漏れても、スマホの確認がなければログインできない状態にしておきます。
最低限、次のものには設定してください。
- メール(すべての起点になるため最優先)
- クラウドソーシングのアカウント
- ネットバンキング
- SNS
④ バックアップを取る
ウイルスやランサムウェアの被害で、データが二度と戻らなくなることがあります。故障や誤操作でも同じです。
私は以前、バックアップを取っていなかったためにファイルをまとめて失った経験があります。納品前の原稿が消えたら、取引先にも迷惑がかかります。
クラウドストレージに自動同期しておくだけでも、かなり違います。
⑤ 公共Wi-Fiで仕事の作業をしない
カフェなどの無料Wi-Fiは、通信を盗み見られる危険があります。クライアントの資料を扱う作業は、自宅のネット回線で行うのが安全です。
外で作業する必要があるなら、スマホのテザリングを使ってください。
セキュリティソフトは無料と有料どちらを選ぶか
迷う方が多い部分なので、判断の目安を書きます。
| 無料ソフト | 有料ソフト | |
|---|---|---|
| 基本的なウイルス検知 | できる | できる |
| フィッシング・詐欺サイト対策 | 限定的 | 強い |
| サポート | なし | あり |
| 複数端末(PC・スマホ) | 個別に必要 | まとめて対応 |
趣味のパソコンなら無料で十分だと思います。しかし仕事で他人の情報を扱うなら、有料を勧めます。
理由は、詐欺サイト対策とサポートです。実際に偽の警告画面が出たとき、「これは詐欺です」と判断してくれる機能があるかどうかで、被害の可能性が変わります。
もし何かあったときの対応
偽の警告が出た場合
- 表示された電話番号には絶対に電話しない
- ブラウザを閉じる(閉じられない場合は強制終了)
- お金を要求されても支払わない
アカウントが乗っ取られた場合
- すぐにパスワードを変更する
- 同じパスワードを使っている他のサービスもすべて変更
- 2段階認証を設定する
- サービス提供元に連絡する
相談先
被害に遭った、または不安な場合は、警察庁のサイバー犯罪相談窓口や消費生活センター(188)に相談できます。一人で抱え込まないでください。
失うのは、データだけではありません
最後に、一番伝えたいことを書きます。
在宅ワーカーにとって、情報漏洩は信用を失うことを意味します。取引先の資料を流出させてしまえば、その仕事は二度と来ません。
セキュリティ対策は、自分を守るためであり、同時に取引先を守るためのものです。年に数千円の投資で、これまで積み上げた信用を守れるなら、安い出費だと思います。
まとめ
- 在宅ワークではセキュリティを自分で管理する必要がある
- 在宅ワーカーは取引先の情報を持っているため狙われやすい
- 最低限は①ソフト導入 ②パスワード使い回し禁止 ③2段階認証 ④バックアップ ⑤公共Wi-Fi回避
- 仕事で他人の情報を扱うなら有料ソフトを勧める(経費にもなる)
- 偽警告が出ても絶対に電話しない
今日できることが1つあるとすれば、メールアカウントの2段階認証です。5分で終わり、効果は最も大きい対策です。


