祖母の遺品整理は、業者に頼まず、家族だけで行いました。
費用は抑えられました。ただ、まったく想定していなかったところでつまずきました。
そして今、我が家には次の課題があります。母のものです。存命ですが、自営業をしていることもあって物の量が膨大です。何度か生前整理の話をしましたが、断られています。
この記事では、実際にやってみて分かったことと、これから直面することになる問題を書きます。
費用を抑える鍵は、自治体への持ち込みでした
家族だけで進めるうえで、いちばん効いたのがこれです。
処分するものを、自治体のクリーンセンターへ、何度も自分たちで運びました。
事前申請をすれば、無料になりました
ここが重要な部分です。
その自治体では、住民が持ち込むゴミは、事前に役所へ申請しておけば無料でした。
逆に言うと——
申請せずにそのまま持っていくと、有料になります。
手順としては、役所に申請するだけです。それだけで料金が変わります。知らないまま運んでいたら、何度も往復した分だけ費用がかかっていました。
ただし、この仕組みは自治体によって大きく異なります。無料の枠がない自治体もあれば、条件付きのところもあります。
やることは一つです。片づけを始める前に、お住まいの自治体のごみ担当課に電話して聞いてください。「亡くなった家族の遺品を持ち込みたい」と伝えれば、必要な手続きを教えてもらえます。
家族だけでやる場合の現実
正直に書くと、体力勝負です。
- 運ぶ回数が多い(一度では終わりません)
- 車が必要(軽トラックを借りることもあります)
- 持ち込みは平日の日中が中心(受付時間が限られます)
- 分別が必要
3つ目については、後ほど詳しく書きます。ここが、働き方に直結する問題だからです。
想定外だったのは、手伝いに来てくれた人でした
ここからが、この記事で最も伝えたい部分です。
私たちは、近親者だけで、懐かしみながら少しずつ片づけるつもりでいました。
親戚が手伝いに来ました
そこへ、遠い親戚が手伝いに来ました。母から見ればいとこにあたる人で、2〜3か月に一度は遊びに来る、よく顔を合わせる相手です。
正直に言えば、手伝えば食事をご馳走してもらえる、という気持ちもあったと思います。
それでも、来てくれたこと自体は善意です。
そして、取っておきたかったものまで処分されました
その人は、とにかくどんどん片づけました。
迷いがありません。次から次へと、処分するほうへ振り分けていきます。
気づいたときには、残しておきたかったものまで捨てられていました。
戻ってきません。
遺品整理には、2つの時間が必要です
この経験から、はっきり分かったことがあります。
| 必要な時間 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 進める時間 | 迷わず判断し、量を減らす | 他人・業者 |
| 浸る時間 | 手に取り、思い出しながら選ぶ | 家族だけ |
他人の手が入ったほうが、作業は間違いなく速く進みます。これは事実です。思い入れがないからこそ、判断できるのです。
しかし葬儀の直後には、思い出に浸りながらゆっくり片づける時間も必要でした。
あの時期にしかできないことです。物を手に取って、こんなものを持っていたのか、これはいつのものだろう——そうやって話しながら片づける時間が、見送りの一部でした。
速さと引き換えに、それが失われました。
それでも、追い返すことはできません
では、どうすればよかったのか。
正直、答えは出ていません。
来てくれた人を追い返すことはできません。食事目当てだったとしても、わざわざ足を運んで、体を使って手伝ってくれたことに変わりはないからです。
「ありがたいけれど、今は家族だけにしてほしい」——これを、角を立てずに言うのは非常に難しいことです。
葬儀は、こういう人付き合いもまた難しいと感じました。
戒名を決めるときも、同じようなことがありました。
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次にやるなら、こうします
断るのが無理なら、先に仕組みをつくっておくしかありません。
- 「保留の箱」を最初に用意する——迷ったものは全部そこへ。捨てる判断を後回しにできます
- 手伝ってもらう場所を分ける——「物置と台所をお願いします」と、部屋単位で頼む
- 寝室や仏間は家族だけで——思い出の品が集まる場所は、最初から範囲に入れない
- 処分するものは、その日のうちに運び出さない——一晩置けば取り戻せます
- 手伝いを頼む前に、「これは残す」と決めたものを先に別の部屋へ移す
1つ目と4つ目が特に効くと思います。「捨てる」という判断を、その場でさせない仕組みです。
次の課題は、母のものです
ここからは現在進行形の話です。
母は存命ですが、自営業をしてきたこともあり、物の量が膨大です。仕事の道具、書類、在庫——生活用品だけではありません。
「死んでからにしてくれ」と言われています
生前整理の話は、何度かしました。
返ってきた答えは、いつも同じです。
死んでからにしてくれ。
説得はしていません。本人にとっては、まだ使うもの、まだ現役の仕事道具だからです。
それに、物を減らせと言われることは、人生を畳めと言われることに近いのだと思います。元気なうちに強要するのは違う、というのが今のところの結論です。
ただし、これは先送りを選んだということでもあります。そのときが来たら、私が引き受けることになります。
物は減らせなくても、情報は聞けます
だから、方針を変えました。物ではなく、情報を先に聞いておくことにしています。
- どれが仕事の書類で、どれが個人のものか
- 絶対に捨ててはいけないものはどれか
- 取引先・契約関係の書類がどこにあるか
- 通帳・保険・年金の書類の場所
- 誰に連絡すべきか
「捨てて」と言うと拒まれますが、「これは何?」と聞くのは嫌がられません。自営業だった人なら、なおさら説明したいことがあるはずです。
在宅ワークで、本当に良かったと思うこと
最後に、働き方の話を書きます。
祖母の遺品整理をやってみて、これは会社勤めでは相当きついと痛感しました。
| 必要なこと | 会社勤めだと |
|---|---|
| 役所へ申請に行く | 平日の日中のみ |
| クリーンセンターへ持ち込む | 受付は平日中心。何度も往復が必要 |
| 作業日を確保する | 土日に集中させるしかない |
| 親族と日程を合わせる | 調整が難しい |
役所もクリーンセンターも、平日の日中しか動いていません。会社員が対応しようとすれば、何日も休みを取ることになります。
私は在宅で働いているので、午前中に運んで、午後は仕事に戻るということができました。母のときも、なんとかできるだろうと思えています。
在宅ワークを始めたのは、こういう場面のためではありませんでした。それでも「平日の昼間に動ける」ことが、これほど効くとは思っていませんでした。
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まとめ
- 家族だけでの遺品整理は費用を抑えられるが、体力勝負
- 自治体への持ち込みは、事前申請で無料になる場合がある(申請しないと有料)
- 制度は自治体ごとに違うので、始める前にごみ担当課へ電話する
- 他人の手が入ると速く進むが、残したいものまで処分されることがある
- 遺品整理には「進める時間」と「浸る時間」の両方が必要
- 断れないなら保留の箱・場所を分ける・当日は運び出さない
- 生前整理を嫌がる親には、物ではなく情報を聞いておく
- 手続きは平日の日中に集中する。働き方の影響が大きい
これから遺品整理をされる方へ。ひとつだけ選ぶなら、「保留の箱」を最初に用意してください。迷ったものを全部そこに入れておけば、取り返しのつかない処分だけは防げます。
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※ごみの持ち込み制度・申請方法・料金は自治体によって異なります。この記事は一家族の経験です。実際の手続きは、お住まいの自治体にご確認ください。


