■口の中の細菌フローラが全身に影響する
従来、妊娠中や糖尿病のある人などに対して歯周病予防が大切であることはいわれてきました。しかし近年、それらが歯原性菌血症という血管内の病気によるものであり、血管障害として非常に多くの疾患と関連があることがわかってきました。たとえば脳卒中や心筋梗塞、アルツハイマー病も歯周病と口内の細菌叢の状態が深く関わっているのです。
本書では、歯周の病原菌が血管内に入り込むしくみ、歯原性菌血症の影響、またそれらを防ぐための具体的な歯のケアを、食事や歯みがきなどのセルフケア、また歯科でのプロフェッショナルケアの両面から詳しく紹介します。
第1章 口の中は細菌でいっぱい
改めて注目したい「口」の重要性/口の中に広がる見えない世界/悪玉菌がトラブルを引き起こす/口内細菌はからだの外からやってくる
第2章 変わりゆく「歯のトラブル」
食事が変わると歯のトラブルも変わる/虫歯のでき方は2つある/歯周病が新たな国民病に/世界とニッポンの歯科事情
第3章 口から始まる全身病、歯原性菌血症
全身で起きている口内細菌との闘い/問題は歯周病菌がまねく慢性炎症/歯原性菌血症がさまざまな病気につながっていく/「歯みがき中止」で体内に毒素が増える
第4章 1回5分の「3DS」が健康寿命を延ばす
従来のケアのしかたでは不十分な理由/悪玉菌退治の秘策は「3DS」/「3DS」の始め方/これで完璧!歯のケア
第5章 歯を守り、からだを守る
暮らし方のポイント/人はなぜ病気になるのか/生活改善のポイントは「歯のケア」/歯の健康を保つための栄養学/歯とからだを守る
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