森のそばにできた時計屋さんは、おじいさんが1人で営んでいます。お客さんは、まだだれも来ず、時折、きつねの子やりすがのぞくだけ。おじいさんは、きつねたちに店へ来ないかと声をかけました。きつねたちは、喜んで店へ入ります。
「ボーン、ボーン」と大きな音をたてたり、「リンロン、リンロン」ときれいな音をたてたりする、大きな掛け時計にきつねたちは夢中になりました。その掛け時計には、オルゴールがついていて、素敵な音楽が流れるのです。その掛け時計は、遠くに住んでいるおじいさんの娘のものでした。
森の動物たちはかわるがわる、店にやって来くるようになりました。ある日、娘さんがおじいさんの様子を見にやって来て……。
森の動物たちとおじいさんの交流を通し、世代や立場が異なる者たちの持ちつ持たれつのいい関係をやさしいタッチで描いた、心温まるお話です。
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